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バックアップのために置いたクラウドが、AIと仕事をする基盤にもなっていた

バックアップとBCPのために使ってきたクラウドが、ブラウザーやスマートフォンからAIと仕事を続けるための情報基盤にもなっていました。PC移行とNASへの接続テストから気付いた、2026年9月時点の変化を記録します。

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ChatGPTを使い始めたのは、記憶では2025年の秋ごろです。

正確な日までは覚えていません。最初は無料版だったかもしれないし、個人用のアカウントだったかもしれません。

手元の記録をたどると、2025年11月にはChatGPTを使っており、Businessの環境も作っていました。

それから、まだ一年も経っていません。

最初は、文章を書いてもらったり、考えていることを整理してもらったりする使い方でした。今では、会社の資料を参照しながら相談し、コードを書かせ、ファイルを操作し、設計業務の一部までAIと一緒に試しています。

その変化を振り返っていて、最近もう一つ気付いたことがありました。

バックアップのために以前から使っていたクラウドが、いつの間にか、AIと仕事をするための情報基盤にもなっていたのです。

一年弱で、AIに頼む仕事が変わった

2026年の正月休みには、AIとやり取りしながら小さなWebアプリを試作しました。

コードを書けないまま、分からない画面を見せ、エラーを返し、また直してもらう。その過程で、作業中の会話だけに判断を置いておくのではなく、後から読み直せる形で残す必要があると感じました。

その後、AIを使う範囲は、会社の制度づくり、社員指導の記録、社内ナレッジ、CADや設計業務へ少しずつ広がりました。

この経過については、以前の「分からなくても、まずやってみる」と、会社としての現在地を整理した「CreerのAI活用は、今どこまで来たのか」に書いています。

社員指導から整理したナレッジも、2026年9月には300件を超えました。こちらも300件までの経過を別の記事に残しています。

今回あらためて書きたいのは、その一つひとつではありません。

AIに頼む仕事が増えるほど、AIがどの情報を確認できるのか、どの場所で動いているのかが、実際の仕事に影響するようになってきたことです。

PC移行で、AIにも「作業場所」があると気付いた

2026年9月にPCを入れ替えたとき、ChatGPTのLocal Workで使っていた会話や作業環境は、通常のクラウド上のチャットと同じようには新しいPCへ移りませんでした。

このとき初めて、私は、PCの中にAIの作業環境を持っているという感覚をはっきり持ちました。

移行時に行ったことや注意点は、「ChatGPTのLocal Workは新しいPCに自動では移らなかった」に詳しく書いています。

OpenAI公式のProjects and chatsの説明でも、ChatGPTのProjectと、PC上のフォルダーへ接続するローカルProjectは分けて説明されています。

同じ画面から使っていても、クラウド上の会話と、PCのフォルダーを使う作業は同じものではありません。

それが腹に落ちた後、今度は社内NASを使って、もう一つ試してみました。

同じChatGPT Workでも、今回見えた範囲は違った

デスクトップ版のChatGPT Workから、会社のNASを参照できるか試しました。

NASを自動で見つけたわけではありません。Windowsで使っているネットワーク上の場所を明示すると、今回の環境ではNASへアクセスできました。

流れとしては、次のようになります。

今回、NASへ到達できた経路
  1. デスクトップ版Workローカルの作業として実行する
  2. 作業中のPCそのPCに許可された場所を参照する
  3. 社内LANPCからNASの共有フォルダーへ接続する
  4. NAS明示した場所のファイルを確認する

一方、同じようなことをブラウザー版のWorkで試すと、今回の環境ではNASへ届きませんでした。

同じChatGPT Workという名前でも、どこで処理されているかによって見える範囲が違います。

ChatGPT Workのローカル作業に関する公式説明では、ローカルの作業はデスクトップアプリを通じてユーザーのPC上で実行され、クラウドの作業はOpenAIが管理する環境で実行されると説明されています。実際に利用できる範囲は、OSやワークスペースの権限、会社のポリシー、接続経路などにも左右されます。

そのため、今回の結果から「デスクトップ版なら、どのNASでも見られる」「ブラウザー版なら、社内情報を扱えない」と一般化することはできません。

確認できたのは、今回使ったデスクトップ側のローカル環境からは、PCと社内LANを経由してNASへ到達できたこと。そして、今回使ったブラウザー側のクラウド環境からは、同じNASへ直接は届かなかったことです。

バックアップ用クラウドの意味が一つ増えた

Creerでは以前から、NASだけでなくクラウドにも会社のデータを置いています。

最初の目的はバックアップでした。その後、会社の通常PCや社内LANを使わない訓練を行い、クラウドが事業継続にも役立つことを確認しました。この経緯は、「BCPのためにクラウド化したわけではない」に書いています。

最近はNASの世代バックアップも追加し、誤削除や上書きから戻る手段と、事務所側の機器を失った場合に備えるクラウドの役割を分けて考えるようになりました。

そこへ今回、三つ目の見方が加わりました。

Creerで見えてきたクラウドの役割
  1. バックアップNASだけにデータを置かず、別の場所にも残す
  2. 事業継続通常のPCや社内LANが使えないときにも、必要な情報へ戻る
  3. AIとの仕事許可された情報を、場所や端末が変わっても参照しやすくする

デスクトップPCでローカルのAIを使うなら、そのPCからNAS上のデータを扱える場合があります。

一方、ブラウザーやスマートフォンを使うとき、会社のLAN内にあるNASへ同じ経路で届くとは限りません。

そのとき、Google Driveなどのクラウド側にも必要な業務情報があり、利用を許可された方法で参照できれば、会社のPCの前にいなくてもAIとの仕事を続けやすくなります。

AIがクラウド内の資料を自動的に何でも読める、という意味ではありません。必要な資料をアップロードする、接続を許可した情報源を使う、スマートフォンで資料を確認しながらAIと整理するなど、実際の渡し方は環境によって違います。

それでも、バックアップのために置いたクラウドが、結果として、場所や端末をまたいでAIと仕事をするための情報基盤にもなっていました。

クラウドバックアップの目的を変えたわけではありません。

元の役割を残したまま、後から別の価値が乗ってきたのです。

技術的に見えることと、使ってよいことは別

もちろん、これはどの会社でも、そのまま同じように使える話ではありません。

クラウドに会社の情報が置いてあっても、それをAIから参照させてよいかどうかは別の問題です。

  • 顧客との契約
  • 機密情報や個人情報の扱い
  • 社内のセキュリティ規程
  • 生成AIの利用ルール
  • アカウントと端末の権限

会社や案件によって条件は違います。

NASへ技術的に到達できたからといって、そこにあるすべての情報をAIへ扱わせてよいわけでもありません。

技術的に接続できることと、業務として接続してよいことは同じではない。

AIから見える範囲が広がるほど、この区別はむしろ重要になると思います。

半年後には、また違うことを書いているかもしれない

これは、2026年9月時点の記録です。

この一年弱だけでも、通常のチャット、Project、クラウドの作業、ローカルの作業など、私が使う環境は何度も変わりました。

今後、AIの作業環境がさらにクラウド側へ寄るかもしれません。反対に、情報管理の理由からローカルで動かす範囲を増やすことも考えられます。

そうなれば、ローカル、クラウド、NAS、スマートフォンの境界も、また変わるはずです。

だから、これが正しいAI環境だと決めるつもりはありません。

残しておきたいのは、2026年9月の時点で、実際に試したときにはこう見えた、ということです。

AIが変わると、昔からあったものの意味まで変わる

AIを使い始めた頃、クラウドバックアップとAI活用は、自分の中では別の話でした。

NASは会社のファイルを置く場所。

クラウドはバックアップ。

ChatGPTは会話するAI。

それぞれ別のものとして考えていました。

ところが、AIが文章だけでなく、会社の資料やPC上のファイルを扱うようになると、それらが少しずつつながってきました。

今回新しく導入したのは、クラウドではありません。

以前からあったクラウドを、AIを使うようになった後でもう一度見たとき、その意味が変わって見えたのです。

バックアップとして残す。

通常の環境が使えないときに戻る。

そして、場所や端末が変わっても、許可された会社情報を使ってAIと考える。

AIの機能が増えただけではありません。

AIが変わることで、会社側に以前からあった仕組みの価値まで変わってきた。

この一年弱を振り返ってみて、それが一番面白い変化だったのかもしれません。


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