AIとの会話を、あとから手で整理するのをやめられないか――Pythonで半自動化したKnowledge OSに、次はSkillsをつなぐ
AIとの会話をKnowledge OSへ残すまでには、まだ手作業があります。既存のPython製Knowledge Managerを置き換えず、その前段にSkillsを加えてKnowledge候補を作る構想を整理しました。
前回、健康経営優良法人の申請をChatGPTと一緒に進めた話を書きました。
会社について整理してきた情報があることで、毎回Creerのことを最初から説明しなくても、
うちの場合はどうだろう。
というところから話を始められるようになってきました。
健康経営の申請は、それを特に分かりやすく感じた出来事でした。
その記事の最後に、
この会社情報を更新していく作業そのものも、もう少しAIと分担できないか。
と書きました。
今回は、その続きです。
会話からKnowledgeを残すところまでは、以前からやっていた
Creerでは、AIとの会話の中で残しておいた方がよい内容を、Knowledgeとして保存しています。
経営のこと。社員教育のこと。DXやAIのこと。本業の技術判断。新しく試していること。
最初からKnowledgeを作るために話しているわけではありません。
普通にAIと壁打ちしている中で、
今の話は残しておいた方がいいな。
と思うことがあります。
そんなときは、会話を整理してMarkdownにしてもらい、Knowledge OSへ残してきました。
ここでいうKnowledge OSは、AIとの会話や判断の経緯を、後から参照し、再利用できるように残している社内のナレッジ管理です。
ただ、これを続けていると、別の問題が出てきました。
Knowledgeが増えるほど、整理する仕事も増えていきます。
そこで、PythonでKnowledge Managerを作った
最初の頃は、作ったMarkdownを自分で整理していました。
分類を確認する。保存する場所を決める。管理番号を付ける。Indexへ登録する。似たKnowledgeがないか確認する。
数が少ないうちは、それでも何とかなります。
ただ、数が増えてくると、毎回同じような作業を繰り返していることに気付きました。
そこで途中から、Knowledge ManagerというローカルツールをPythonで作りました。
現在のKnowledge Managerでは、投入されたKnowledgeを確認し、IDを付け、決められた分類へ移し、Indexへ登録するところなどを半自動化しています。
全体を監査する。関連しそうなKnowledgeを探す。会社の現在地や方針をまとめているCompany OSへ、まだ反映されていない候補を一覧にする。そうした機能も持たせています。
いきなりファイルを書き換えないよう、まず変更予定だけを確認する。更新前にはバックアップを取る。途中で失敗した場合には元へ戻せるようにする。
Knowledgeを増やすだけではなく、増えても壊れにくい仕組みにするというところまで、少しずつ進めてきました。
それでも、入口にはまだ人がいる
Knowledge Managerを作ったことで、かなり楽にはなりました。
ただ、現在の流れを改めて見ると、まだ人が行っているところがあります。
AIと会話する。
その中から残す内容を決める。
「ここをKnowledgeにして」と頼む。
必要なら複数のテーマに分ける。
Knowledge OSで使う形式に整える。
それをKnowledge Managerへ渡す。
ここから先は、かなり自動化できています。
つまり現在の仕組みは、会話の後半から先は自動化されてきたけれど、会話とKnowledge Managerの間には、まだ人の作業が一つ残っている状態です。
そこでSkillsを使えないかと思った
Skills自体は、すでに別の作業で使っています。
OpenAI Developersの「スキルの構築」では、Skillsは指示、参照資料、必要に応じたスクリプトをまとめ、ChatGPTやCodexが一定の作業手順を繰り返し実行できるようにする仕組みと説明されています。
2026年9月時点で、Skillsの利用可否は、プランやワークスペース設定、製品の提供状況によって異なります。当社で使っているChatGPTデスクトップ環境では、スタンドアロンのSkillを利用し、会話の中で明示的に呼び出すことができます。
その使い方をしている中で、
Knowledge OSの入口にも使えるな。
と思いました。
Knowledge Managerを作った時点でも、将来的には、
- 会話からKnowledgeの候補を作る
- 内容に応じて分類する
- タグを付ける
- 既存Knowledgeとの照合候補を出す
- Company OSへ反映する候補を作る
といったところまでは考えていました。
当時は、そこから先をAPIなどでつなぐイメージでした。
しかし今なら、普段使っているChatGPTの会話からSkillを呼び出し、その役割を持たせる方法もあります。
ここが今回、考え直したところです。
「今の話、Knowledgeに回して」で済ませたい
理想は単純です。
普段どおりAIと話している途中で、
今の話、Knowledgeに回して。
と伝える。
Skillが現在の会話を見て、残すべき内容を拾う。テーマが複数なら分ける。Knowledge OSの形式へ整える。分類や状態の候補を付ける。参照できる既存Knowledgeがあれば、照合候補も出す。
その状態で、現在のKnowledge Managerへ投入できる形式まで整えます。
Knowledge Manager側では、これまでどおり採番、登録、移動、Index更新、監査などを行います。
- 普段どおりAIと話す壁打ちの中で、後から使いたい判断や考え方が生まれる
- SkillでKnowledge候補を作る残す内容を拾い、必要に応じてテーマを分け、形式を整える
- Managerへ渡せる形にする候補を確認し、現在のローカルツールへ投入できる形式まで整える
- 決めた処理で登録する採番、移動、Index更新、バックアップなどを行う
こうなれば、新しくすべてを作り直す必要はありません。
今まで作ってきた仕組みの前側に、Skillsを一つ足すイメージです。
PythonをやめてAIに置き換える話ではない
今回、面白いと思っているのは、Knowledge ManagerをSkillsに置き換える話ではないところです。
Pythonで決めたとおりに処理した方がよい部分は、そのままでよいと思っています。
採番する。ファイルを移動する。Indexを書き換える。バックアップを取る。
こういった処理は、毎回同じ結果になる方が扱いやすい。
一方で、
- この会話の何を残すか
- 一つの話として残すか、複数に分けるか
- どの分類が近いか
- 過去のKnowledgeとどう関係するか
といったところは、会話の内容を読めるAIの方が向いています。
今回考えているのは、その二つをつなぐことです。
内容を読んでKnowledgeの候補を作るところはAI。決めたルールで登録し、壊れにくく管理するところはPython。
すでにある仕組みの役割を入れ替えるのではなく、それぞれが向いている部分をつなごうとしています。
自動化を増やすというより、つなぎ目を減らしたい
振り返ると、CreerのKnowledge OSは一度に今の形になったわけではありません。
まず、AIとの会話を残し始めました。
増えてきたので分類しました。
管理するためにIndexを作りました。
手作業が増えたので、PythonでKnowledge Managerを作りました。
そして今度は、会話からKnowledge Managerへ渡すところが気になり始めました。
一つ解決すると、次の手作業が見えてくる。ずっとその繰り返しです。
だから今回も、
Skillsで新しいことができるようになった。
という話とは少し違います。
やりたいこと自体は、以前から見えていました。
今まで作ってきた仕組みの中にSkillsを入れることで、AIとの会話から会社のKnowledgeになるまでのつなぎ目を、一つ減らせそうだと考えています。
次は、会話の途中から実際につないでみる
次にやることは、かなり具体的です。
普段のChatGPTとの会話からKnowledge候補を作るSkillを用意する。
その出力を、今使っているKnowledge Managerへ渡せる形に合わせる。
そして、実際の会話の中で使ってみる。
Knowledge Managerそのものは、すでに動いています。Skillsも別の用途ですでに使っています。
今回は、その二つをつなぐ段階です。
まだ、会話からKnowledge登録までの流れが実際に動いたわけではありません。テーマの分け方や、参照させた既存Knowledgeとの照合候補がどこまで安定するかも、これから確認します。
AIとの会話をKnowledgeとして残し始めたときには、ここまで仕組みが広がるとは考えていませんでした。
会話を残す。
増えたので整理する。
整理が大変になったのでPythonで半自動化する。
そして今度は、その入口をSkillsで会話側へ近づける。
2026年9月現在、CreerのKnowledge OSは、そんなところまで来ています。