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Geminiが使える会社で、ChatGPT Businessを全社員に広げてみる

Google WorkspaceのGeminiに加え、ChatGPT Businessをパート社員を含む全社員へ展開します。使える人を選ぶのではなく、全員がAIとの仕事の仕方を考えるための試みです。

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CreerではGoogle Workspaceを利用しているため、社員はすでにGeminiを業務で使える環境にあります。

ChatGPTについても、これまでは一部の社員にBusinessアカウントを用意し、実際の業務で使ってきました。今回、その範囲を一部の社員だけではなく、全社員へ広げてみようと考えています。

ここでいう全社員には、正社員だけでなくパート社員も含みます。Google Workspaceと同じように、雇用形態ではなく、会社の仕事に関わる人へ同じ入口を用意する考えです。

すでにGeminiがあるのに、なぜChatGPTにも費用をかけるのか。そして、なぜ使いそうな社員だけではなく全員なのか。

今回は、その判断に至った考えを記録しておきます。

Geminiがあるのに、ChatGPTも必要なのか

社員と話してみると、仕事では会社のGoogle WorkspaceにあるGeminiを使い、プライベートでは無料版のChatGPTを使っている人もいました。会社から使い分けを指示したわけではなく、自然にそうなっていました。

考えてみれば、AIも一つのサービスですべてを済ませる必要はありません。

Gmail、Drive、Docs、Sheetsなど、Google Workspaceの中で仕事をするなら、そこにあるGeminiを使いやすい場面があります。一方、ChatGPTには、対話を繰り返しながら考えたり、複数の資料やファイルを渡して、まとまった仕事を進めたりする使い方があります。

特に最近は、ChatGPT Workによって、質問への回答だけでなく、資料作成や分析など、確認できる成果物を伴う仕事を任せる入口が分かりやすくなりました。

これが、これまで一部社員にとどめていたChatGPT Businessを、全社員へ広げてみようと考えたきっかけの一つです。

大切なのは「GeminiとChatGPTのどちらが優れているか」ではなく、仕事によってAIをどう使い分けるかだと思っています。

個人課金の壁を、会社が取り除いてみる

無料版のChatGPTを使っている人は珍しくなくなりました。ただ、「便利だから時々使う」という人が、毎月自分で料金を払い、有料版へ移るかというと、まだ少し壁があります。

AIをもっと使ってほしいと言いながら、試すための費用を社員個人に求めるのも違う気がします。

それなら、その壁を会社が取り除いてみる。業務で使うのであれば、個人向けプランの費用を補助するのではなく、会社としてChatGPT Businessの環境を用意する。その方が自然だと考えました。

もちろん、全員が費用に見合うほど使うとは限りません。短期的な費用対効果だけを見れば、よく使う人だけにアカウントを用意する方が分かりやすいと思います。

それでも今回は、全員へ広げてみます。

「使いそうな人だけ」でよいのか

「今AIを使える人」を選ぶことと、「これから使い方を見つける機会」を渡すことは違います。

今あまりAIを使っていない人だからといって、その人の仕事に使い道がないとは限りません。むしろ、その仕事を一番よく知っている本人が実際に触らなければ、使える場所を見つけられないかもしれません。

そこで会社側が、「この人には必要、この人には不要」と最初から決めないことにしました。

使える人を選ぶのではなく、使える環境を全員に渡したら、それぞれが何を見つけるのか。これは導入の結論ではなく、これから確かめることです。

AIは、使いながら覚える部分が大きい

AIは、同じものを使っても、何を頼むのか、どんな情報を与えるのか、条件をどう伝えるのかで結果が変わります。

返ってきた答えをそのまま使うのか。追加で質問するのか。元資料まで確認するのか。そもそも、その仕事をAIに任せてよいのか。

Creerでも、AIを使えば何でもうまくいったわけではありません。

  • 技術的な質問に、もっともらしい確認不足の回答が返ってきた
  • 録音を残せば、そのまま会社のナレッジになると思ったが、そう単純ではなかった
  • 複数サービスをつないだ自動化で、費用が増えた割に欲しい成果から遠ざかった
  • 図面作成を自動化しようとして、人間が無意識に行っている判断の多さに気付いた

こうした経験から、AIの使い方は、実際に使い、失敗し、確認しながら覚える部分が大きいと感じています。

そのため、会社の環境であっても、仕事だけに用途を狭めるつもりはありません。旅行、料理、買い物、勉強、趣味でもよいので、まず使ってみてほしいと思っています。

仕事以外での小さな試行でも、「条件をきちんと伝えないとうまくいかない」「一度で答えを出させるより対話した方がよい」「きれいな答えでも確認は必要だ」といった感覚は身につきます。それが仕事での使い方を考える土台になるかもしれません。

自由に試せる会社の環境を用意する

自由に使ってほしいからといって、業務情報を個人向けの無料AIへ入力してよいという意味ではありません。会社の情報を扱うのであれば、会社として契約・管理できる環境を用意する必要があります。

ChatGPT Businessでは、業務データはモデルの学習にデフォルトでは使われず、専用ワークスペースや管理機能が提供されています。ただし、Businessであれば何を入力してもよいわけではありません。取引先から預かった情報を含め、社内ルールと人による確認は必要です。

もう一つ考えているのが、シャドーAIです。

便利なAIが次々に登場する中で、「会社が認めたもの以外は使ってはいけない」と禁止するだけで、本当に業務情報の持ち出しを防げるのか。それより会社側が、「会社の情報を扱うなら、まずここを使う」と思える環境を用意する方が現実的ではないかと考えています。

今回のBusiness導入は、管理を強くするだけではなく、社員が安心して試せる範囲を広げるためのものでもあります。

Chatだけでなく、まとまった仕事も試してほしい

今回、特に触ってほしいと思っているのがChatGPT Workです。

AIへ質問して答えをもらうだけではなく、資料やファイルを扱いながら、まとまった仕事を進めてみる。そうすると、次のことを考えざるを得ません。

  • 仕事を進めるには、何を渡せばよいのか
  • どこまで任せられるのか
  • どこから人が判断するのか
  • 一つの仕事を、どのくらいの単位に分ければよいのか
  • 限られた利用枠を、どの仕事に使うのか

ChatGPT Workは、長く複雑な仕事ほど多くの利用枠を使う場合があります。実際にまとまった仕事を任せることで、AIは無制限の道具ではなく、能力や資源を何へ配分するか考える対象でもあると分かってくると思います。

AIを使うことは、上手なプロンプトを書くことだけではありません。AIに何を任せ、人が何を判断し、結果をどう確認するのか。そこまで含めて経験してほしいと考えています。

育てたいのは「ChatGPTを使える社員」ではない

今回はChatGPT Businessを全社員へ広げますが、「これからはChatGPTへ統一する」と決めたわけではありません。

Geminiにも、ChatGPTにも、それぞれ使いやすい場面があります。AnthropicのClaudeをはじめ、ほかのAIにもそれぞれ特徴があります。

今回は、ChatGPT Workの登場もあり、まとまった仕事をAIへ任せる使い方を全社員で試してみたいと考えて、ChatGPT Businessを選びました。

ただ、半年後、一年後にどのサービスがCreerの仕事に最も合っているかは分かりません。

実際に使ってみて、Claudeの方がCreerの仕事に合うと判断すれば、将来そちらへ切り替えることがあってもよいと思っています。

だから育てたいのは、「ChatGPTを使える社員」ではありません。

  • 何をAIに渡すのか
  • どこまで任せるのか
  • 結果をどう評価するのか
  • どこを人が確認するのか
  • 仕事によってAIをどう使い分けるのか

そうした、AIと仕事をする経験です。使うAIが変わっても、その経験は残ります。

全社員にChatGPT Businessを用意するだけの費用対効果があるのか。GeminiとChatGPTをどう使い分けるのか。仕事以外で使えることが、業務での活用につながるのか。会社が環境を用意することが、シャドーAIへの対策になるのか。

今の時点では、まだ答えはありません。

だから、まず全員に渡してみます。うまく使われても、思ったほど使われなくても、その結果をまた技術ノートに残してみようと思います。


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