業務改善・自動化

外出中にも仕事が進む。AIに「進めておいて」と頼んでみた

外出中、スマートフォンの音声入力でdotに社内ポータルの続きを相談しました。会社の運用条件を伝え、調査や開発の準備を進めてもらい、帰社後にテストデータの保存と表示を確認するまでの体験を記録します。

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先日は日中、結構外出していました。その間、移動の合間にスマートフォンの音声入力でAIとやり取りしながら、以前から試作していた社内ポータルの続きを進めていました。

会社に戻ってから、必要な承認や画面の確認を行い、テスト用のデータが保存され、読み込まれて、月ごとの一覧に表示されるところまで確認できました。

まだ本格運用を始めたわけではありません。社員本人のアカウントでの動作や、見えてよい情報の範囲など、確認すべきことは残っています。それでも、外出していた時間に、調査や開発の一部が実際に進んでいたことは、少し書き残しておきたいと思いました。

これまでも、外出先から社員に電話をして、状況を聞き、仕事をお願いすることはありました。自分が会社にいなくても、頼んだ仕事が進んでいる。それ自体は、会社では普通にあることです。

今回感じたのは、その仕事の一部をAIにも頼めるようになってきた、ということです。自分がPCを開いて手を動かせないときにも、条件を伝え、必要な判断を返すことで、先に進めてもらえる。その使い方が、実務の中でかなり現実的になってきたように感じています。

以前止めていた社内ポータルを、外出先から再開する

今回進めたのは、社内の日報や勤怠などをまとめるポータルです。

もともと、日報の入力だけでなく、月報の確認、有休管理、社内資料への入口などを一つにまとめたいと考えていました。将来的には、今Excelで管理している行動予定や、出張旅費の精算、業務報告書などもつなげていきたいと思っています。

ただし、最初から全部を作り上げるのは難しいので、何段階かに分けて進める計画でした。前回は画面の見た目などを社員に確認してもらうところで、一度止めていたものです。

その日は、その続きを外出先から相談しました。

「入力はポータルから行い、管理はスプレッドシートでできればよい」 「自分のその月の日報を、ポータルから確認できるようにしたい」 「管理者が確認する方法は、入力する人の画面とは別でもよい」

こうした話を、スマートフォンに向かって伝えていきました。最初から細かい仕様書を完成させて渡したわけではなく、普段の会社の運用を説明しながら、必要なことを整理していった形です。

話しているうちに、会社ごとの条件が出てくる

日報といっても、全員が同じ項目を入力すればよいわけではありません。

業務ごとに工番を入れて作業内容を記録する人もいれば、経理を担当していて、出勤・退勤の管理だけでよい人もいます。非常勤の人については、Googleアカウントを持っていない場合もあります。

そうなると、画面に入力欄を並べるだけでは足りません。誰がどの項目を入力するのか、本人をどう確認するのか、管理者はどこまで見られるのかを考える必要があります。

また、日報を入れ忘れたときに、本人の画面へ注意を出せないかという話もしました。

これも、単純に「昨日の入力がなければ警告」とすればよいわけではありません。土日祝や会社独自の休日がありますし、休日出勤をした日もあります。休みだった日を未入力扱いにすると、毎回不要な注意が出てしまいます。

会社の休日と、その人が実際に勤務したかどうかを組み合わせて考える必要があります。予定表に書かれていることと、勤務実績も同じではありません。

こうした条件は、会社の仕事を知っている人には自然なことでも、AIへ伝えなければ分からない部分です。会話の中で思い出した条件を補足し、その都度、整理した内容を確認していきました。

音声入力が楽だったのは、このあたりです。スマートフォンで長い文章を打つよりも、普段の仕事について話すように説明できました。

音声で伝えることで、取りかかる負担が小さくなる

音声入力だから、指示が自動的に正確になるわけではありません。固有名詞が違う言葉に変換されることもありますし、話している途中で言い直すこともあります。今回も、名前や対象を訂正しながら進めています。

そのため、AIがどう受け取ったかを確認することは必要です。

ただ、最初からきれいなプロンプトを書かなければならないと思うと、外出先ではどうしても後回しになります。PCに戻ってから整理しようと思い、そのまま別の仕事が入ってしまうこともあります。

話せる場所であれば、気になったことをその場で伝えられる。AIが整理して返したものに対して、「そこは違う」「それでよい」「この条件もある」と補足する。この進め方なら、取りかかる負担はかなり小さく感じます。

もちろん、電車の中などでは声を出しにくいですし、周囲に人がいれば、会社の情報をそのまま話すこともできません。移動中であれば何でもできるという話ではなく、安全に操作できて、内容を話しても問題のない場所を選ぶ必要があります。

それでも、これまでPCの前に戻るまで進められなかったことを、移動の合間や待ち時間に少し進められる。時間の使い方に、選択肢が一つ増えたという感覚です。

AIが仕事を進めるには、資料を見られることが前提になる

今回の話では、音声入力と同じくらい、資料や作業環境へアクセスできることが重要でした。

例えば、会社の休日を扱うのであれば、土日祝だけを見て判断するのではなく、実際の会社の休日カレンダーを確認する必要があります。今回は、その資料も確認しながら、休日の設定について整理を進めることができました。

既存のポータルについても、以前どこまで作っていたのか、どのような保存の仕組みになっているのかを調べる必要があります。口頭で「前に作ったものの続き」と伝えても、元のプログラムや記録が見られなければ、調査は進みません。

実務の資料作成でも、これは同じだと思います。参考資料、図面、計算書、過去の協議内容など、仕事に必要なものをAIが参照できる場所に用意しておくことが前提になります。

当社では、AIが使う作業環境からNASの原本へ直接つながることを極力避ける方向で、必要な資料を渡すための「投入」用のフォルダを設けています。何でも直接触れる状態にするよりも、まず対象を絞って渡したいと考えているためです。

外出先から継続して仕事を頼むことを考えると、この受け渡しの仕組みをクラウド側でも使えるようにすることには、意味がありそうです。

ただ、資料をすべてクラウドへ移せばよいというだけの話でもありません。渡してよい資料か、どれが最新版か、閲覧だけでよいのか、成果はどこへ戻すのか。元の資料を守りながら、必要な範囲で仕事を進められるようにしておくことが大切だと思います。

以前、「バックアップのために置いたクラウドが、AIと仕事をする基盤にもなっていた」という記事を書きました。バックアップや事業継続のために用意していたクラウドに、場所や端末をまたいで、許可された資料をAIと参照するための基盤としての価値も見えてきた、という話です。

今回は、その先を少し実践できたように感じています。参照できる資料と作業できる環境があったことで、外出先から仕事の一部を頼み、実際に進めるところにつながりました。ただし、クラウドに置けばAIが何でも読めるわけではありません。技術的にアクセスできることと、業務上その資料をAIに使わせてよいことは、分けて確認する必要があります。

外出中に進んだことと、戻ってから確認したこと

外出中は、会社の運用条件を整理することに加えて、既存のプログラムの調査や、スプレッドシートへ保存する仕組みの準備、確認手順の整理などが進みました。

一方で、途中には権限の承認など、自分で操作する必要があるところもありました。そこまで含めて、外出中にすべて終わったわけではありません。

会社に戻ってから必要な操作を行い、架空のデータを使って保存と読み込みを確認しました。その後、ポータルから対象月を選び、保存したデータが一覧に表示されることも確認しています。

この段階で確認できたのは、テスト用の保存先と、管理者側での表示などです。社員が自分のアカウントで入力した場合にどうなるか、他の人の情報を見られないか、といった確認は、引き続き必要です。本格運用は、区切りのよい時期から始めるつもりです。

帰社してから全部を一から始めるのではなく、準備されたものを確認し、止まっていた部分を進めるところから再開できた。この流れには、実際の使い道を感じました。

今回はdotを使った。ただ、考え方はもっと広く使えそうだ

今回、私がやり取りしたのはdotです。会話をしながら条件を整理し、必要な調査や作業につなげてもらいました。

ただ、この記事で伝えたいことを、dotだけの話にはしたくありません。私自身は、CodexやWorkでも、資料や作業環境、依頼する範囲を整えれば、近い進め方ができるのではないかと考えています。

もちろん、今回はCodexやWorkで同じ作業を行い、比較したわけではありません。使える機能や接続方法も環境によって異なるため、誰でも同じ操作で再現できるとまでは言えません。

その上で、今回うまく進められたと感じたのは、自分で作業全体の手順を細かく組み立ててから頼む手数が、比較的少なかったことです。

会社としてどうしたいのか、実際にはどう運用しているのかを話し、返ってきた質問や整理に答えていく。その中で作業の段取りも具体的になっていきました。

もし自分でCodexやWorkに直接依頼するのであれば、必要な資料の場所や、現在の状態、どこまで進めてよいかなど、もう少し事前にまとめておく必要があったかもしれません。これはあくまで今回の実感ですが、その準備や指示の手数が少ないことは、外出先で使う上では大きいと思います。

自分がいない間にも、仕事の一部が進んでいる

社員へ仕事をお願いするときにも、目的や条件を伝え、分からないところを確認してもらい、結果を見て判断します。必要な資料がどこにあるかも共有します。

AIへ仕事を頼む場合にも、似た部分があると感じました。何をしてほしいのかを伝えるだけでなく、判断に必要な情報を渡し、任せる範囲を決め、途中の確認に答えることが必要です。

そして、結果を確認して採用する責任は、人間側に残ります。今回も、会社の運用をどうするか、どこまで権限を与えるか、本格運用へ進めるかは、自分が判断する部分です。

それでも、自分がPCの前にいない時間に、AIが資料を調べたり、プログラムの修正を準備したり、確認項目を整理したりする。こうした働き方は、まだ具体的にイメージしにくい方もいるのではないでしょうか。私も実際に進めてみることで、その感覚が少しはっきりしてきました。

土木設計の実務でも、外出先で元請会社から受けた条件や確認したい点を伝え、AIに渡してよい図面や計算書をもとに、関連資料の整理や確認事項の洗い出しを頼むことが考えられます。帰社後に原本と照合し、判断が必要な点は元請会社へ確認する。説明資料の構成や叩き台を準備してもらう使い方もできそうです。

開発であれば、使う人の条件を伝え、調査や実装の一部を進めてもらう。今回は社内ポータルで試した段階ですが、先に進めてもらい、戻って確認するという流れを、土木設計の実務でも少しずつ試していきたいと思います。

今回の社内ポータルも、まだ途中です。ただ、外出していたから何も進められなかった、という一日にはなりませんでした。

話せるときに条件を伝え、AIが進められる部分を任せ、必要なところで自分が判断する。資料と作業環境を整えることで、そのような仕事の進め方が、より現実的になってきたと感じています。