「これKnowledgeに入れて」で、保存後の中身まで確かめる――会話から残す入口を作り直した
会話からKnowledge候補をGoogle Driveへ保存する経路を、二つのSkillsに分けて組み直しました。保存したMarkdownを読み戻して照合した結果と、通常Chatの待ち時間、スマホで見えなかった許可待ちを記録します。
AIとの会話で、後から使えそうな判断や失敗の経緯が出てきたとき、
これKnowledgeに入れて。
と言うだけで残せるようにしたい。Creerでは以前から、この入口を試してきました。9月には通常のChatから候補を保存し、PC側のKnowledge Managerによる正式登録まで、一度通して確認できています。一方、その後は保存や読み戻しが安定しない場面もありました。
2026年10月21日、保存までの経路を組み直し、会話から作った候補をGoogle DriveへMarkdownファイルとして置き、読み戻して照合するところまで、改めて試しました。今回はその進展と、使って初めて分かった不便さを記録します。
会話を止めずに、候補として残したい
AIと仕事の話をしているうちに、考えが整理されることがあります。まだ試していない案もあれば、あとで振り返りたい判断や失敗もあります。
そうした内容を、パソコンのWorkで話しているときも、普段のChatやスマートフォンで話しているときも、その場から残したい。毎回、保存先の説明やファイルの移動を人間が始めるのでは、会話の流れが切れてしまいます。
ここでいうKnowledge OSは、当社が会話や仕事から得た経験をMarkdownで残し、後から確認できるようにしている社内のナレッジ管理です。今回扱うのは、その正式な記録を確定する前段の候補保存です。
私が短く「入れて」と言ったときは、まず候補として受け箱へ残してほしい。正式登録まで自動的に進めたいわけではありません。会話を残す操作は楽にしつつ、会社の知識として確定する判断は別に置くことにしました。
カードを作る役割と、保存する役割を分けた
今回、経路を二つのSkillsに分けました。Skillsは、AIに繰り返し使う仕事の手順を教えるための仕組みです。
一つ目の「Creer Knowledge Capture」は、現在の会話から残す内容を選び、既存の形式に合わせてカードを作ります。分類や状態などを示す情報を含め、保存するMarkdown本文を完成させる役割です。
二つ目の「Creer Knowledge Bridge」は、完成したファイル名と本文を受け取り、Google Driveへ保存します。こちらでは、内容を要約し直したり、分類を考え直したりしません。採番や正式登録も、別のKnowledge Managerの役割として残しました。
名前だけ二つに分けても、実際に続けて動かなければ意味がありません。Captureがカードを作った後、Bridgeの保存・確認へ進む手順まで明記しました。今回試した流れは次のとおりです。
- 会話の中で、Knowledgeへ残すよう頼む。
- Captureが会話カードの本文を作る。
- Bridgeが完成した内容をMarkdownの実ファイルとしてDriveの受け箱へ保存する。
- 保存したファイルを読み戻し、名前、場所、形式、本文を照合する。
- 照合が終わった場合に、候補保存の完了を返す。
内容を考える工程と、決まった内容を保存する工程を分けたことで、結果がおかしいときに確認する場所もはっきりしました。
「保存しました」の返事を、実物と照らす
今回、特にこだわったのは、保存後の読み戻しです。AIが「保存しました」と答えても、その言葉だけでは目的のファイルが残ったか分かりません。
以前の試行では、名前の末尾が .md でも、実体はGoogleドキュメントだったことがありました。別の場所を見て「ファイルがない」と思い込んだこともあります。今回は、Markdownの実ファイルを残す条件を、より明確にしました。
保存後には、ファイル名、親フォルダー、ファイル形式を示すMIMEタイプ、読み戻した本文を確認します。MIMEタイプは text/markdown を想定し、本文は改行や末尾の改行も含めて、保存前と全バイトが一致するか照合します。画面に文章が見えたことや、ファイルサイズが同じことだけでは確認を終えません。
照合処理は、日本語の本文が一致する場合だけでなく、名前、保存先、形式、改行が異なる場合など、10ケースで試しました。ファイルはできていても読み戻しが終わらない場合は、「保存済み・検証未完了」と扱い、成功したことにはしません。
ここで確認したのは、今回の保存結果と照合手順です。今後のすべての会話や端末で、必ず同じように動くと分かったわけではありません。
接続は、実際に使って確かめた
手順を整える前には、Google Driveへの接続自体にも引っかかっていました。以前の環境では、ファイル取得用の道具が一覧に見えても、呼び出すと使えないというエラーが返ったことがあります。
そこで今回は、表示だけを見て接続できたとは判断せず、既存のテストファイルを取得して中身を確認しました。新しい非機密のファイルも一度保存し、Driveから読み戻してみました。実際の操作が通るところまで確かめてから、会話カードの保存へ進んでいます。
同名ファイルの確認でも、検索結果は空なのに、フォルダーの一覧にはファイルがある場合がありました。検索だけで「同名ファイルはない」と決めると、重複して保存しかねません。
保存先の情報に、子ファイルを追加できるかを示す項目が返らない場合もありました。それだけで書込み可とも不可とも判断できません。利用者が候補保存を明示的に頼んでいるときは、不明な点を不明のままにして新規保存を一度試し、明確な拒否や同名ファイル、成否不明の結果が出た場合は止めるよう整理しました。サービス側のアクセス許可を飛ばすという意味ではありません。
うまくいかない理由を、すぐ権限不足やサービス障害と決めつけず、返ってきた結果ごとに確認する必要がありました。
普段のChatでは保存できた。待ち時間は長い
新しい通常のChatから短い言葉で依頼したテストでは、候補ファイルを保存し、Drive上の実ファイルを確認するところまで進みました。以前に一度成功した経路を、今回は役割を分けた形で再確認できたことになります。
ただ、そのテストで結果が返るまでには5分49秒かかりました。ほかの試行とは条件が違うため、単純な速度比較はできません。それでも、会話の途中で「これを残して」と頼んで数分待つのは長く感じます。何を待っているのか分かりにくいことも、使い勝手に影響しました。
そこで、二つのSkillsで重複していた説明や古い保存経路の記述を整理しました。説明量は合わせて約35%減っています。ただし、これは処理時間が35%短くなったという意味ではありません。整理後の速度はまだ測っておらず、待ち時間のどの工程に時間がかかるかも切り分けが必要です。
必要な照合は残したまま、同じ説明を何度も繰り返さないようにする。今回は、まずそこまで直しました。
スマートフォンからの試行では、別のことも起きました。スマホ側に反応がないので、デスクトップアプリで同じChatを開くと、そちらにDriveへのアクセス許可を求める表示がありました。待っていたのは処理だけでなく、許可だった可能性があります。しかし、その表示はスマホ側で確認できませんでした。
今回のスマホでの試行には、デスクトップでの確認が混ざっています。スマホだけで安定して最後まで完結できたとは言えません。 会話から呼び出せること、Driveへ保存できること、スマホだけで迷わず使えることは、それぞれ確かめる必要があります。
候補保存の先は、人が確認して進める
「これKnowledgeに入れて」という依頼で今回進めるのは、受け箱への候補保存までです。仮説や検討中の内容も、後から振り返るために残せます。候補を保存しただけで、会社の確定した方針にしてしまうことは避けたいと思っています。
正式登録は、人が内容を確認したうえで別に依頼します。既存のKnowledge Managerが行う採番、正式な場所への移動、索引の更新は今回変更していません。また、今回組み直した保存経路から正式登録までを一続きに検証したわけでもありません。
9月には正式登録まで一度通せました。その後の試行で不安定さが見つかり、今回は候補の保存と読み戻しを、より厳密に確認したというのが現在地です。
次はテスト用の短い文章だけでなく、実際に残したい会話の中で使ってみます。余計な説明を足さずに頼めるか。保存と照合が終わったことが分かるか。数分の待ち時間を縮められるか。会話からKnowledgeを残す入口を、普段使えるものに近づけていきたいと思います。
※この記事は、2026年10月21日に当社の環境で行った確認の記録です。すべてのChatGPT環境や端末で同じ結果になることを示すものではありません。