自動化したら、手作業より高くて内容も薄くなった
Notta、Zapier、GAS、GPT APIをつないで社員指導の整理を自動化したものの、手作業より高く、内容も薄くなるという問題にぶつかった記録です。
社員指導ナレッジ化の試行錯誤|第3回
録音と文字起こしは楽になりました。
しかし、その後のダウンロード、AI整理、保存には、まだ手作業が残っていました。
自動化したら、手作業より高くて内容も薄くなった
Notta Memoを使うようになり、録音から文字起こしまではかなり楽になりました。
録音後、スマートフォンへ転送すれば自動で文字起こしが始まります。
ただ、その先は手作業でした。
文字起こしをダウンロードする。GPTへアップロードする。整理結果をまたダウンロードする。Google Driveへ保存する。
一件なら数分です。
数分だからこそ、そのまま続けられてしまいます。そして件数が増えると、地味に効いてきます。
そこで、GASを使って少しでも自動化できないかと考えました。
最初に詰まったのは、Nottaから出すところ
やりたかったことは単純です。
Nottaで文字起こしが終わったら、そのデータをGoogle Driveの指定フォルダへ自動で入れる。
ところが、ここがなかなかできませんでした。
Nottaにも自動化機能はありました。ただ、当社が使おうとすると、途中でNotta AIによる要約を挟む必要がありました。
当社が欲しかったのは要約ではありません。
社員指導では、作業指示だけでなく、なぜそう判断したのか、何を避けるべきか、どこが未確定なのかも残したい。先に短く要約されると、後からGPTで整理しても元の情報は戻りません。
さらに、Notta AIには利用上限があります。当社では整理をGPTで行うため、ここで別のAI処理を挟む必要もありませんでした。
Nottaのヘルプを調べている中で見つけたのが、Zapierを経由する方法でした。
できれば、ここでも課金は増やしたくありません。
無料枠で接続を試していると、Zapierの中にCopilotがありました。
Nottaの文字起こしを、Google Driveの指定フォルダへ入れたい。
そう伝えると、接続のたたき台をかなり自動で作ってくれました。
コードを書くより先に、やりたい業務の流れを言葉で説明して接続を作る。ここでも必要だったのは、プログラミング知識より「何をどこへ運びたいか」の整理でした。
自動で届いた。でも名前は全部「新規録音」
何度か試すと、別の問題が出ました。
Zapierは、Nottaの文字起こしが完了した瞬間にデータを取得します。
しかし、その時点ではNotta側のタイトル生成がまだ終わっていません。そのため、Driveへ届くファイル名は毎回「新規録音」になりました。
Zapierが早すぎて、Nottaが名前を付ける前に持ってきてしまう。
待機時間を入れれば解決できそうでしたが、Zapierで時間差を設けるには有料プランが必要でした。
この問題は、現在も入口では完全には解決していません。
ただ、当社では最終的に、日付、指導内容、指導先の社員名、データ連番を組み合わせて正式なファイル名を付けます。
そこで、NottaやZapierの段階で完璧な名前を付けることは諦めました。中身を読んだ後に、GPTとGAS側で命名すればよいと考えたからです。
ファイル形式もいくつか試しました。後続のGASで扱いやすく、GPTへ余計な装飾を付けずに渡せることから、最終的にTXTへ落ち着きました。
すべてを入口で完成させず、後工程で確実に処理する。これも、実際に動かして分かったことでした。
ようやく動いた。でも少し内容が薄い
Driveへ入ったTXTをGASが検知し、GPT APIへ送り、整理結果を保存する。完了したらチャットへ通知する。
ここまでつながると、仕組みとしてはかなり便利になりました。
ところが、完成したデータを読むと少し物足りませんでした。
当時はAPI料金を抑えるため、少し古いモデルを使っていました。文章としては読めます。ただ、社員指導の記録として見ると、判断理由や注意事項が薄く、会話の一部がまとめられすぎる感じがありました。
同じ文字起こしを、契約中のChatGPTへ手動で入れると、もっと詳しく整理されます。
しかも、手動ならChatGPTのサブスクリプション内です。APIの従量課金は別途かかりません。
手作業なら高品質で、追加の従量課金もない。
自動化すると、内容が薄くなり、しかも料金がかかる。
正直、少しせつなくなりました。
自動化はできた。でも、自動化したこと自体が目的ではありません。
社員があとから指導内容を読み返し、作業へ戻れることが目的です。情報が抜けて手戻りが起きるなら、API料金を少し抑えても意味がありません。
全部を高性能モデルにしない仕組み
高性能なモデルを使えば、整理内容は良くなります。ただし、すべての録音に最高品質が必要なわけでもありません。
短い連絡と、複数の技術判断を含む指導では、必要な整理品質が違います。
そこで、通常は標準モデルで処理し、重要なものだけ高品質なモデルで再処理できる仕組みを作りました。
処理が終わるとチャットへ通知が来ます。内容を見て、重要なものはファイル名に「HQ」と付ける。GASがその印を読み取り、より高性能なモデルでもう一度整理します。
AIへ重要度の判断まで全部任せるのではなく、人が品質レベルを選ぶ形です。
これで、通常処理のコストを抑えながら、重要な社員指導は詳しく残せるようになりました。
自動化は、手を離すことではなかった
最初は、録音後の手作業をなくしたいだけでした。
実際に作ってみると、ファイル名、処理タイミング、形式、モデル品質、API料金など、考えることが次々に出てきました。
最終的には、すべてを完全自動にするのではなく、機械に任せる部分と、人が確認する部分を分けました。
自動化とは、人が一切触らなくなることではありません。
人が判断すべき場所だけを残し、それ以外の繰り返しを減らすことでした。
一連の仕組みが動くようになると、次に気になったのは入口の文字起こしです。
整理結果はきれいに見える。けれど、その元になった記録は本当に十分正確なのか。
次回は、同じ音声を二つの方法で文字起こしして比較した話です。
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