DX Progress

DX認定取得後の取り組み状況

2026年9月現在。認定時に掲げた方針が、実際の仕事の中でどこまで進んだかを報告します。

2026年9月現在

株式会社Creerは、2026年5月1日付でDX認定事業者となりました。認定取得は一つの区切りでしたが、取り組みがそこで完成したわけではありません。

当社では、社員への説明や実務上の確認事項を次の仕事へ残すこと、図面や数量を別の方法でも確かめること、繰り返し作業を減らすこと、会社のデータを守ることを、少しずつ試してきました。ここでは、認定取得から約5か月が経過した時点で、進んだことと、まだ実績になっていないことを分けて報告します。

セキュリティインシデント
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2026年9月現在、当社で把握している発生件数です。今後も確認と対策を続けます。
CIMを活用した受託案件の実施件数
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社内でのモデル作成や検証は、受託案件の実績に含めていません。

技術的な検討や確認の過程を、会社に残す

社員への技術指導や実務上の説明には、作業指示だけでなく、なぜその箇所を確認するのか、どの資料や条件を見たのか、過去の事例と何が違うのかといった考え方が含まれます。

当社では、こうした説明を録音・文字起こしし、AIも使いながら後で参照できる記録へ整理してきました。2026年9月には、社員指導から整理した記録が300件を超えています。これは録音本数ではなく、後から使う価値があると判断して整理した件数です。

件数を増やすこと自体が目的ではありません。必要な場面で経験や確認事項を振り返り、同じ説明を一度きりで終わらせないための社内資産として育てています。詳しい経過は社員指導の記録が300件を超えた技術ノートに残しています。

AIと既存の道具を、工程に応じて使い分ける

図面からの情報取得、数量の整理、資料の比較、ExcelやCAD作業の補助などを試してきました。その中で、すべてをAIで処理することが最も確実で効率的とは限らないと分かってきました。

正確な座標が必要ならDXFを直接処理する。決まった繰り返し作業にはVBAやスクリプトを使う。AIが読み取った内容は、人が確認しやすい形を経由して次の工程へ渡す。AI、既存ソフト、プログラム、人による確認を組み合わせ、当社が担う設計支援の品質と確認精度を高めることを重視しています。

AIを代表だけの道具にしない

2026年8月には、パート社員を含む全社員がChatGPT Businessを使える環境を整えました。既に利用していたGoogle WorkspaceやGeminiと合わせ、社員がそれぞれの担当業務でAIの使いどころを探しています。

使い始めると、「この作業のどこで使えるか」「AIの説明と図面をどう結び付けるか」「Excelの繰り返し作業を減らせるか」といった疑問が出てきます。Excel経験が多くなかった社員がAIを使いながらVBAを試し、若手社員が3次元モデルの作成に取り組む場面も生まれました。

目指しているのは、社員に設計上の最終判断を任せることではありません。作図、数量、資料整理、確認など、それぞれが担当する支援工程への理解を深め、自分の仕事をより良くする方法を考えられる環境をつくることです。

CIMは社内で検証中。受託案件の実績はまだない

V-nasClairのスクリプトやPython、AIなどを組み合わせ、構造物の3次元化、ソリッド化、体積の確認を社内で試しています。若手社員がモデルを作る過程では、2次元図面を読み、構造物を理解するための教材としての可能性も見えてきました。

一方、2次元図面で確認した方がよいこともあり、3次元化すれば必ず効率が上がるわけではありません。モデルの形状を確認できることと、受託業務の成果や数量確認に使えることも別です。

2026年9月時点で、CIMを活用した受託案件の実施件数は0件です。社内の試作を案件実績として数えず、元請会社から受ける条件や利用目的に合う方法を、引き続き検証します。

「バックアップがある」から「実際に戻せる」へ

DXを進めるほど、会社のデータやデジタル環境への依存も高くなります。当社では、SCS評価制度の★3を見据えた準備を進める中で、情報管理と事業継続を日常の運用として見直しています。

NASとクラウドによる保管に加えて世代バックアップを整え、過去の状態からファイルを一つ取り出し、正常に開けることを確認しました。また、通常のPCと社内ネットワークを使わず、別の端末とモバイル回線からクラウド上の業務データを開く確認も行いました。これらは個別の確認結果であり、会社の業務環境全体を復旧できたことを意味しません。

点検の過程ではNASのセキュリティソフトのライセンス期限切れも見つかりましたが、その後更新を完了しました。バックアップ時の大量変更の警告についても、作業内容と照らして原因を確認しました。仕組みを置くだけで終わらず、実際の状態を見て対応することを続けます。

ファイル復元を試した条件と確認できた範囲はバックアップ復元の技術ノートに残しています。

認定時の方針を、これからも実際の仕事へ

認定から約5か月で、社員が使えるAI環境、社内で参照できる記録、3次元モデルの試作、データ復元の確認は進みました。一方、CIM活用の受託案件はまだなく、試した方法が業務として定着したかどうかは、これから確かめる段階です。

当社のDXは、AIやCIMを使うこと自体を目的にしていません。小さく試し、実際に使い、確かめ、うまくいかなければ見直し、その経験を次の仕事や社員教育へ残す。その繰り返しによって、元請会社をはじめとするパートナー企業の検討や意思決定を、設計支援の立場からより確実に支えていきます。