ChatGPT Dotsなら「続けて」と言わなくて済むのか――2つのWorkをあえて放置して、自律継続を試してみた
2つの開発を任せたDotを、あえて操作せずに観察しました。通知後の再開、作業パスのエラー、コピーできない引き継ぎ、利用枠の減り方を確認し、『続けて』を任せられるか考えた10月1日夜の記録です。
前回、ChatGPTの新機能「Dots」に、当社で開発中の2案件を渡しました。樋門設計に関するAIエージェントと、Creer AI技術室です。最初は進捗管理だけを任せるつもりでしたが、DotがPC内の開発環境を確認できたため、調査、コード変更、テスト、記録更新まで任せました。すると、2案件は別々のWorkで動き始めました。
そこで次に気になったのは、もっと小さなことでした。
Workが止まるたびに、私が「続けて」と言わなくてもいいのか?
今回は、あえてこちらから触らずに、その動きを観察してみました。
何度も「続けて」と言う仕事を減らしたかった
これまでWorkで開発していると、ある程度作業したところで結果が返ってきます。私が内容を確認して「続けて」「そのまま進めて」と送ると、また作業が始まる。一回なら大した手間ではありません。
ただ、10分、20分と作業しては止まることを繰り返すと、私が各Workを見回り、再開の合図を出し続けることになります。2案件を管理するDotを置いたなら、この役割まで任せられないか。それが今回の問いでした。
まずは通知を開かずに待ってみた
Dotには、技術判断や最終承認が必要なことは私に確認し、決まった方針の範囲なら調査、変更、テスト、記録更新を進めてよいと伝えていました。一方の案件が判断待ちになったら、もう一方で進められる仕事を探す方針も渡しています。
そのまま細かい指示は出さずに見ていると、2つのWorkが動きました。しばらくして一方が一区切りし、画面に青い通知が付きます。もう一方はまだ作業中でした。こちらも終わるまで待つと、Dot側の通知件数は最終的に「3」になりました。私のPCで通知に気づいたのは3件目のときです。
そこで初めてDotを開きました。2案件の進み具合がそれぞれ整理され、AI技術室側ではコード修正とテストの後、元の開発フォルダーへ反映するところに制約が残っていました。樋門側では、受領したPDFやDXFの確認を続け、対応記録とテストを進めていました。判断や追加の許可が必要なところでは止まっています。
個々のWorkを私が見回る代わりに、Dotが結果を受け取り、必要なところをまとめて返してくる。 統括役としては、期待に近い動きでした。
Dotを開くと、指示していないWorkが動き始めた
予想外だったのはその後です。私はDotの報告を開いただけで、個別のWorkへ「続けて」とは送っていません。ところが、止まっていたWorkの一つが動き始め、しばらくしてもう一方も動きました。
通知を開いたことが次の作業のきっかけなのか。そう思って、さらに見ていました。Workは何時間も一度に走り続けるというより、10〜20分ほどで一区切りする場面があります。通知を開かずにいる間は次の動きが見られず、開いた後に新しい指示なしで再び動く。似た動きを何度か見ました。
この時点では、「続けて」と書く必要はなくても、通知を人が開く必要はあるのかもしれない、と考えました。日中なら十分便利です。しかし、寝る前に任せて朝まで進める使い方では、最初の通知で止まってしまうかもしれません。
ただ、画面で見えた順序だけで、通知の開封が再開条件だとは言えません。OpenAIの公式資料には、Dotが仕事を一時停止して後から再開できるとありますが、今回の再開がどの仕組みによるものかまでは分かりませんでした。
「既読を待たずに続けて」と頼んでみた
そこで、Dotへの指示を変えました。
報告や成果の通知は途中で送ってよい。ただし、私の判断や承認が不要な作業が残っているなら、通知を開くことや既読になることを待たずに続けてほしい。技術判断、最終承認、権限変更など、私の回答が必要なときだけ止まってほしい。
Dotからは「通知の開封・既読を待たず、判断不要の作業を続ける」という返答がありました。ただし、そう返答したことと、実際にそのとおり動けることは別です。次の通知を開かず、それでも進むかを見るつもりでした。
ところが、作業パスのエラーと権限の問題が出た
実験は単純には進みませんでした。AI技術室側へ次の仕事を渡そうとしたWorkで、invalid turn/start params: AbsolutePathBuf deserialized without a base path というエラーが出ました。同じような場面で再発もしています。表示上は作業パスに関係しそうですが、原因までは特定できていません。
さらに、DotからWorkへ渡した許可が、私から直接出した許可と同じようには扱われない場面もありました。このため、「未読の通知があるから止まった」と思ったものの中には、次のWorkを始めようとしてエラーや権限の問題で止まったものが混ざっていた可能性があります。
エラーになったWorkを開いた後も、新しい指示を書かないままWorkが再び動き始めることが複数回ありました。開いたことが再評価や再試行を促したのか、内部の再試行と偶然重なったのかは、まだ切り分けられていません。
少なくとも、今回の動きから「Dotsは未読通知があると必ず止まる」とは言えなくなりました。同時に、「止まったWorkは人が次の文章を書かないと絶対に進まない」という動きでもありませんでした。
Dotの文章をコピーできず、引き継ぎでも止まった
もう一つ、地味ですが困ったことがあります。Dotから「この文章を作業中のWorkへ直接送ってください」と、私が仲介するよう求められる場面がありました。
ところが、10月1日に使った環境では、Dotの返答を選択して右クリックしても、普段のようにはコピーできませんでした。絵文字などのメニューが表示され、渡したい文章をそのまま取り出せません。スクリーンショットにしてWorkへ渡す方法も試しましたが、その操作でもエラーが出ました。結局、別の方法でテキストにして渡しました。
DotからWorkへ引き継げない指示や許可があるなら、人が間に入る必要があります。そのときに、「この文章をそのまま送って」と言われても、簡単にコピーできない。 自律的に進めたい仕事が、受け渡しのところで止まるのは思った以上に不便でした。
これが現在の仕様なのか、私の環境で起きた一時的な表示の問題なのかは分かりません。少なくとも、今回の実際の開発では早い段階で引っかかりました。
一方が止まっても、もう一方は進められた
AI技術室では、実際のAPIを使う追加調査など、一部の作業が許可やエラーの関係で止まりました。しかし、Dotに確認すると、コード改善、オフラインテスト、検証、記録整理など、ほかに進められる作業が残っていました。樋門側にも次の仕事があります。
画面上でも、止まった作業を保留にしながら、進められる方のWorkが動きました。最初に渡した「片方が判断待ちなら、もう一方を進める」という方針に近い動きです。一つの作業が止まっても、Dot全体がそこで終わるわけではない。2案件を一緒に任せる意味を感じました。
最後に、「判断が不要な仕事は一区切りごとに次を選び、できるだけ長く開発を続けてほしい。樋門も並行して進めてほしい」と、さらに明確に頼みました。Dotは、通知の既読を待たず、判断が必要な部分だけ保留にするという方針を返しました。その直後、画面上では再び2つのWorkが動き始めました。
2つのWorkを動かしたときの利用量も気になった
長く任せるとなると、作業が続くかだけでなく、利用枠がどのくらい減るかも気になります。Dotが全体を見て、その下で2つのWorkが動くなら、単純に考えてかなり速く減るのではないかと思っていました。
ところが、10月1日に画面の利用状況を見ながら動かした範囲では、Dotを加えたことで急激に減ったという印象はありませんでした。体感としては、2つのWorkを普通に動かしているときに近い減り方でした。
これは厳密なトークン消費量を測った結果ではありません。Dotを使わない場合と同じ作業を並べて比べたわけでもありません。Dotの処理に利用量がかからないとも、2つのWorkの分しか減らないとも言えません。
ただ、今回の初日の使い方では、複数のWorkをDotに管理させた途端に、利用枠が目に見えて何倍もの速さで減るようには見えませんでした。長時間動かすなら、この点も引き続き見ておきたいと思います。
「朝まで任せられる」は、まだ確かめていない
ここまでが、2026年10月1日夜の時点で見たことです。毎回「続けて」と文章を送らなくても、Dotが次の仕事を選んだり、別のWorkを進めたりする場面はありました。一方で、10〜20分ほどで一区切りになるWork、作業パスのエラー、許可の引き継ぎという問題も出ています。
今、私が技術ノートの記事作成や公式サイトの更新をしている間も、画面上では2つのWorkが動いています。この間、個別のWorkへ「続けて」とは送っていません。ただ、一区切りの後も人が見ないまま次工程へ移り、何時間も開発が続くところまでは、まだ確認できていません。今度は通知が来ても、できるだけ開かずに置いてみます。
Dotsを間に置くと、私が個々のWorkへ「続けて」と指示する代わりに、Dotがどこで私の判断を必要としているかを見る使い方へ変わるかもしれません。ただ、その運用を確かめるには、通知、再開、権限、作業パス、指示の受け渡しに加え、利用量も見ていく必要があります。数時間後にどうなっているか、また結果を残します。